研修プログラムを改善するために追っている指標が、実際に価値あるインサイトを与えているかどうか、確信がありますか?最新の記事で詳しくご紹介します。
研修プログラムを実施するだけでは、研修を終えたことになりません。人材開発のリーダーとしては、研修内容がどのように、ふるまい、パフォーマンス、行動、そしてビジネスゴールに影響したかを明らかにする必要があります。
学習者に、研修プログラムの根拠に正当性があると説明する方法を学ぶことで、研修に実際に効果があり、会社や経営者だけでなく従業員自身にも良い影響を与えているどうかを確認することができます。 ありがたいことに、テクノロジーのおかげで、人材開発に関する大量のデータや情報を簡単に収集できるようになりました。
このデータを有効に活用すれば、研修プログラムの利点とギャップの両方を理解するのに役立つ重要なインサイトが得られ、さらに重要なことには、研修の計画を推し進めるのに役立ちます。
しかし、ブランドン・ホール・グループによると、非常に基本的な指標以上のものを取得している企業は25%未満であり、データの大部分を意味のある方法で分析できている企業は20%程度に過ぎません。
なぜでしょう?それは、適切な指標を持っていないからです。
どのような学習指標が本当に重要なのか?
研修の効果や影響を評価する際には、適切な指標を見ることが重要です。それは、表面的な数字ではなく、次の行動を導き出す指標でなければなりません。
基本的に、バニティーメトリクス(虚栄の指標)は、あると便利な数字ですが、実際にはあまり意味のないものです。人材開発の取り組みの現状を説明してくれますが、ビジネス上のより良い成果の達成にはあまり役に立ちません。例えば、アクティブな学習者数やコース完了数などが挙げられます。
一方、アクショナブルメトリクス(実用的な指標)とは、具体的な行動と実際の結果を結びつけることで、研修の計画に関する貴重なインサイトを提供する数値です。
例えば、学んだことを仕事に活かすことができる社員の人数や、チーム内でどのように協力しあっているか、などからもわかります。
明らかに、後者の方が「人材開発プログラムの指標と組織のパフォーマンスや学習プログラムの効果」との関連性を測定しています。
どのような学習指標が重要なのかを理解した上で、評価の指針となるフレームワークを持つことが最善の方法です。
カークパトリックモデルの推進
企業研修の世界では、人材育成プログラムの成果を評価するために、様々な学習フレームワークが使われてきました。その中で最もよく使われているのは、4段階のアプローチで知られる「カークパトリックモデル」です。
これが4つの段階です。
反応(Reaction) : 従業員は受けた研修にどのように反応したか?
このレベルでは、学習者が研修に対してどのように感じているか、研修が役に立ったかどうかについてのインサイトを得ることができます。ここでは、アンケートや調査票を使用したり、コースの前後に学習者に話を聞いたりして、学習体験に関するフィードバックを収集することができます。
学習(Learning) : 社員は研修から何を学んだのか?
このレベルでは、学習者が研修中に、どれだけの情報を実際に吸収したかを測定します。一般的な測定方法としては、事前テストと事後テストの比較や、新しいスキルを習得したことを示す実践的な課題を与えることなどが挙げられます。
行動(behavior) : 社員は学んだことを仕事に活かしたか?
第3のレベルでは、研修が受講者の仕事上のパフォーマンスや態度にどのような影響を与えたかを発見し、解釈します。これを測定するためには、自己評価アンケートを実施したり、職場での観察を行ったり、同僚や上司からのフィードバックを集めたりすることができます。
結果(Results) : この変化した行動は何をもたらしたか?
習得した知識やスキルを使うことは、より大きな研修目標にどのような影響を与えたのでしょうか?これは、生産性や仕事の質の向上、成約やマーケティングリードの改善、売上の増加などのビジネス上の成果を観察することができます。
これは、すでに多くの企業が知っているように、企業の研修プログラムの効果を測定するのに役立つ、最も成功したモデルの一つです。しかし、多くの人材開発担当者がこのモデルを誤って使用しているようです。単純に時系列で捉えたり、評価作業に1~2段階しか適用しなかったりしています。
では、どのように使えばよいのでしょう。それは、実現したい結果を明確にイメージし、それを実現するための方法を逆算することです。さあ、ここからが本題です。
指標と行動のマッピング
最も簡単な方法は、カークパトリックモデルをデザインプロセスの一部として捉えることです。研修プログラムの最初の段階から評価プランを設定しておけば、途中で評価指標をモニターし、最後に報告することが簡単になります。
そのためには、レベル4から順にフレームワークを反転させる必要があります。ここでは、それを理解するためのステップバイステップのプロセスを紹介します。
「レベル4:結果」から始める。
フレームワークを参考にして、学習プログラムの終了時に達成したい目標を決め、それを実現するためにどう行動するかを計画します。例えば、従業員が同僚や顧客の前で自分をより良く振舞える方法を改善したいとします。そのための重要な指標は、社員の自信かもしれません。
「レベル3:行動」を逆算する。
先ほどの例に引き続き、あなたは社員が効率的かつ効果的なコミュニケーションをとることで、自信を持てるようになると考えています。これは、顧客との話し方、多様なチームでの協力の仕方、さらにはプレゼンテーションの仕方などにも当てはまります。
「レベル2:学習」へ落とし込む。
そのスキルを身につけてもらうために、職場でのコミュニケーションを円滑にするためのソリューション、つまり語学学習を行います。この段階では、言語スキルをビジネス関連のスキルと結びつけるなど、より具体的な研修を実施することができます。そうすることで、彼らの学習は関連性があり、適用可能なものとなります。
「レベル1:反応」で終了。
あなたが実施したいと考えている研修について、従業員がどのように反応するかを考えてみましょう。それよりも、仕事における語学力の重要性を理解し、活用することに納得してもらうことの方が重要かもしれません。
結論
それぞれのレベルで、うわべの数字よりも実用的な指標を重視したことに注目してください。なぜなら、研修の成果を測るには数字や数値が良いかもしれませんが、実際に注目したいのは、研修の成果が現場で発揮されているかどうか
だからです。