脳: 言語が存在する場所
“言語野は一般的に、分析的思考や論理を処理する左脳にあります。 “
ブローカ野
運動性言語中枢で、口、舌、および口蓋による発話をつかさどります。
角回
言葉や概念の理解を助けるための情報処理をつかさどります。
ウェルニッケ野
単語や文章の意味や、内容の理解をつかさどります。
瞑想や語学学習といった活動により、脳の異なる領域を一度に使い複数のニューロン(脳の神経細胞)を同時に刺激することで、ニューロン同士の新たなつながりが形成されます。この脳内のネットワークを繰り返し使い続けることで、脳は速く効率的に働くようになるのです。
言語と脳
スウェーデンのMRIを用いた研究で、外国語学習は脳の活性化に目に見えて効果があることがわかっています。具体的には海馬と大脳皮質の領域でより発達が見られ、以下のような効果が得られると言います。
脳のパワーアップ
脳が意味を考え、新たに学んだ言語の語彙を駆使して考えを表現することで、読解力、交渉力、問題解決力が鍛えられます。
記憶力の向上
語学は記憶力のトレーニングに効果的です。学んだ知識を思い出して使う力が向上します。
マルチタスク能力
異なる言語で考える力を身につけ、瞬時に切り替えができるようになると、マルチタスクをこなす力が格段に上がり、ストレスレベルが軽減します。
脳の機能がより長く持続
アルツハイマー病などの認知症に関する複数の研究から、語学学習は脳を健康に保つことがわかっています。モノリンガルの(1つの言語を話す)人は平均71歳で初期症状が見られたのに対し、マルチリンガルの(複数の言語を話す)人は発症が遅く、平均75歳だった、などの研究結果が報告されています。
脳の柔軟性向上
語学は異なる文化への入り口です。新たな言語を学ぶことで、今までとは違った視点で世界を見ることができるようになります。世界中とつながれる現代社会で、語学は貴重なツールです。
パフォーマンスの向上
語学学習によって認知力が高まることで、さまざまな分野における問題解決能力が向上します。
より良い意思決定
バイリンガルの人は意思決定の際に第二言語で再検討し、当初の結論の妥当性を確認することで、選択に自信を持っていることがわかっています。
洞察力の向上
マルチリンガルの人は周囲の状況を観察する能力に長けています。関連する情報に的を絞り、無関係な情報を取り除くことが得意です。
バイリンガル体験は、脳の「実行機能」と呼ばれる注意力を制御する機能を向上させます。これは計画を立てたり、問題を解決したり、精神的に厳しいタスクをこなしたりする時に必要な、脳を指揮するプロセスです。
参考文献:The Conversation, The Guardian, Examined Existence, New York Times, Be Brain Fit, The Telegraph, Business Insider, SciLearn